📅 YOASOBI 歴史・年表

音楽 2017年のmonogatary.com開設から2026年現在まで。「ソニーが投稿サイトを作った日」を起点に、音楽デュオが世界フェスを制覇するまでの軌跡を年表で整理する。

📌 全体の特徴(わかりやすく)

YOASOBIを理解するために最も重要な事実は「ソニーが先に小説投稿サイトを2年運営し、そこから音楽を作る企画が生まれた」という順序。通常の音楽アーティストは「まず楽曲を作り、後でメディアミックス」だが、YOASOBIは「まず物語の源泉プラットフォームを作り、そこから音楽→アニメ→書籍→ドラマを展開」という設計。これがJ-POP史上初の「ストリーミングのみでBillboard年間1位」「日本語曲史上初の世界チャート1位」を生んだ。

結成前史(2017-2019)— ソニーが投稿サイトを作った日

2017-10-30
monogatary.com(モノガタリードットコム)開設(SMEJ運営)
ソニー・ミュージックエンタテインメント(SMEJ)が「小説・イラスト投稿型SNS」を自社で開発・運営開始。屋代陽平が立ち上げ責任者。投稿された小説を後段で音楽・アニメ・映画・ドラマに展開する基盤づくりが真の目的だった。当時の小説投稿サイトは「小説家になろう」(KADOKAWA系)が市場を支配しており、音楽会社がこの市場に参入したのは極めて異例。
2017-2019
monogatary.com 第1回〜数回のお題コンテスト開催
ユーザーが「テーマ」に沿って短編小説を投稿。優秀作には「ソニーミュージック賞」等の賞が与えられる。本物の投稿コミュニティとして2年間運営。
2018-12
Ayaseが初音ミクで作曲開始(VOCALOIDプロデューサー活動)
バンド「Davinci」のメンバーだったAyaseが入院中にVOCALOID楽曲制作を開始。「先天性アサルトガール」を12月リリース。ニコニコ動画・YouTube世代の音楽消費に最適化されたサウンドメイキングを習得。
2019-04
Ayaseの「ラストリゾート」がボカロ界隈でヒット
ボカロPとしての知名度が上昇。屋代陽平がAyaseをYOASOBI楽曲制作者として指名するきっかけになる。
2019-中盤
monogatary.com創設者の屋代陽平が「投稿小説を楽曲化する企画」を立案
SMEJ内部で「賞品として書籍・アニメ化ではなく、楽曲化を提供する」というアイデアが固まる。これがYOASOBI結成の起点。
2019-中盤
Ayaseが幾田りらのInstagramカバー動画を発見→YOASOBI結成へ
Ayaseはあいみょん「君はロックを聴かない」のカバー動画(当時18歳の幾田りら)をInstagramで見て、声の透明感に惹かれ直接DMを送った。幾田りら(ikura)は2歳から3歳まで米国シカゴに住み、小学生で作曲、中学生で初コンサートを開いた早熟なシンガーソングライター。
2019-10-01
YOASOBI結成発表(ティーザー動画)
ユニット名は「夜遊び」から。「個人活動が昼の顔、YOASOBIが夜の顔」というAyaseの説明。所属: Sony Music Labels(SMEJ傘下)。

デビュー〜国内大ブレイク(2019-2020)

2019-12-15
デビュー曲「夜に駆ける」配信リリース(ストリーミング限定)
原作: 星野舞夜「タナトスの誘惑」(monogatary.com投稿の短編、第1回ソニーミュージック賞受賞作)。CDは当面発売せず、YouTubeとストリーミングサービスのみで展開。MV公開後にSNS(Twitter・TikTok)で口コミが爆発し、TikTokの「歌ってみた」「踊ってみた」が連鎖拡散。
2020-04〜07
「あの夢をなぞって」「ハルジオン」「たぶん」配信(第2〜4シングル)
「ハルジオン」は資生堂BAUMタイアップ。「たぶん」は後に映画化。monogatary.com投稿作品を原作に使い続けるスタイルが定着。
2020-06-15
「夜に駆ける」Billboard Japan Hot 100で初の1位獲得
デビューから6ヶ月でチャート1位。通算6週1位。CDなしのシングルがBillboard Japanで年間1位を獲得した史上初の記録(2020年年間チャート1位)。
2020-09-01
「群青」配信(ブルボン・講談社「ブルーピリオド」タイアップ)
2024年時点でストリーミング8.4億再生超。山田鐘人・アベツカサ「ブルーピリオド」との連動で、アニメ・マンガコミュニティへの浸透が加速。
2020-12-31
第71回NHK紅白歌合戦初出場(紅組)
「夜に駆ける」をテレビで初パフォーマンス。国民的認知が確立する。

国民的アーティスト化(2021-2022)

2021-01-06
第1弾EP「THE BOOK」発売(初のCDパッケージ)
デビューから約1年、意図的にCDリリースを遅らせた上で限定生産盤として発売。「ストリーミングで音楽は完結する」というメッセージを実証した後のCD化。5週連続デジタルアルバム1位、2021年上半期Download Albums首位。
2021-01-06
「怪物」TVアニメ『BEASTARS』第2期OPとして配信
原作者・板垣巴留が「怪物」のために書き下ろし小説『自分の胸に自分の耳を押し当てて』を執筆(通常とは逆の「楽曲のために小説を書く」メディアミックス)。MV制作はアニメスタジオ・オレンジが担当。NETFLIX配信で海外にも届く。
2021-07-02
英語版EP「E-SIDE」配信リリース
「Into the Night」(夜に駆ける)等の英語版を6曲収録。世界市場進出の本格スタート。
2022-12
Spotify「2022年 海外で最も再生された日本人アーティスト」1位
国内アーティストの海外進出において象徴的な記録。この後4年連続で同タイトルを獲得。「BEASTARS」「ガンダム水星の魔女」「推しの子」と大型アニメタイアップが海外アニメファン経由でのリスナー獲得を後押し。

グローバルブレイク期(2023-2024)— 「アイドル」が日本語曲史上初のBillboard Global 1位に

2023-04-12
TVアニメ『【推しの子】』第1期放送開始 + 「アイドル」配信リリース
赤坂アカ・横槍メンゴ原作(週刊ヤングジャンプ連載)のアニメ化。第1話90分特別編が配信と同時に世界で話題化。「アイドル」は配信即座にBillboard Japan Hot 100 1位、Spotify Viral Top 50グローバル1位。1ヶ月でMV YouTube1億再生突破(YOASOBI自身最速記録)。
2023-05-26
「アイドル」英語版「Idol」配信
「日本語に聞こえる英訳」と海外で評価され、日本語版と英語版を同時消費するリスナーが増加。海外市場への本格アプローチ。
2023-06-10
「アイドル」がBillboard Global Excl. U.S. 1位獲得
日本語曲史上初のGlobal Excl. U.S. 1位(5月26日〜6月1日集計)。米国除き1週間で4,570万ストリーム、24,000ダウンロード。坂本九「上を向いて歩こう」(1963)以来60年、日本語楽曲が世界チャートの頂点に立った歴史的瞬間。
2023-06-13
「アイドル」がBillboard Global 200で最高7位(日本語曲史上最高)
米国を含む全世界チャートでも日本語曲のトップ10入りは史上初。
2023-07
「アイドル」7ヶ月でSpotify5億再生達成(J-POP史上最速)
2023年年間チャートではBillboard Global 200で42位(J-POP史上初のTOP50入り)、Billboard Global Excl. U.S.で19位(J-POP史上最高位)を記録。
2023-12-31
第74回NHK紅白歌合戦で「アイドル」をパフォーマンス(日韓11組とコラボ)
JO1、SEVENTEEN、NewJeans、BE:FIRST等11組と「アイドル」を共演。日本と韓国のアーティストが同曲を歌う象徴的な瞬間。
2024-04-12〜
コーチェラ2024出演(米カリフォルニア)
世界最大級フェスへの出演。日本人アーティストとしてYMO・宇多田ヒカル・BABYMETAL等に続く出演。日本語楽曲中心のパフォーマンスで開始10分で会場の半分以上が埋まる。
2024-08-06〜08
米国ツアー最終2公演: NY Radio City Music Hall・ボストン MGM Music Hall at Fenway
NY Radio City Music Hall(5,960席満席)、ボストン MGM Music Hall at Fenway(5,000席満席)。米国6都市単独ツアー「YOASOBI Live in the USA」を完走。
2024-08
ロラパルーザ・シカゴ出演(伝統的米国最大級ロックフェス)
1991年スタート、ニルヴァーナ・レッド・ホット・チリ・ペッパーズ等のレジェンドが演奏した会場に日本語楽曲で立つ。
2024-12
Spotify「海外で最も再生された日本人アーティスト」4年連続1位(2021-2024)確定
1億再生超え楽曲21曲(うち10億超え2曲)、累計ストリーミング60億回超え。日本人アーティストとして前例のない規模。

直近(2025-2026)— アジア・欧州展開と個人ソロの確立

2025
YOASOBI Asia Tour 2024-2025(バンコク・台北・香港・ジャカルタ・ソウル等)
アジア主要都市を網羅するツアーでアジア圏ファンとの接点を拡大。
2025
欧州初進出: Primavera Sound(バルセロナ)出演 + ロンドン単独公演
欧州最大規模フェスへの出演。コーチェラ・ロラパルーザ(米)に続き欧州フェス市場への参入。
2025-12-31
幾田りらがソロとしてNHK紅白に初出場(YOASOBIとは別枠)
幾田りらがCOACHのグローバルアンバサダーに就任、ソロアーティストとしての存在感を確立。YOASOBIとしての出場と個人としての出場が同一年に実現。
2026
TVアニメ『【推しの子】』第3期放送予定、YOASOBI累計1億再生超え楽曲21曲
「アイドル」で世界的認知を得た『推しの子』の第3期アニメタイアップが予想される。ストリーミング記録は更新継続中。

なぜYOASOBIはここまで広がったのか

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