Spotify ¥980/月、CD ¥3,000、ライブ ¥8,000、カラオケ1部屋月額、JASRAC年間1,332億円、シンクCM¥1,000万、海外送金$10,000の7つのお金フローを Sankey 図で可視化。「著作権 vs 著作隣接権」の2階建て構造を、レシピと完成料理の比喩で解説する。
対象: 曲そのもの(メロディ・歌詞)
持ち主: 作詞家・作曲家 → 多くは音楽出版社に譲渡
管理: JASRAC または NexTone(信託受託)
海外呼称: パブリッシング権(Publishing Rights)
「Lemon」のレシピは米津玄師が書いた。誰がカフェで料理(演奏/再生)しても、レシピを書いた米津にロイヤリティが入る。
対象: 録音された「音」そのもの(マスター音源)
持ち主: レコード会社(資金を出した人)/実演家
管理: レコード会社が直接管理/CPRA(実演家団体)
海外呼称: マスター権(Master Rights)
米津本人が録音した「Lemon」音源はソニー・ミュージックレーベルズが所有。Spotifyで再生されるとそのマスター使用料が発生する。
同じ曲でも「米津玄師がカバーした版」と「他の歌手がカバーした版」では、著作権(米津作曲分)は同じだが、隣接権(マスター)は別物。だから1曲=2系統の支払いが同時発生する。
米津玄師のような「作詞作曲+歌唱」を1人でやるアーティストは、Spotify 1再生で3つの財布から別々に金が流れる。
レーベル所属の歌手だけだと①のみ、作詞作曲家だけだと②のみ。3チャネル取れるのが「自作自演アーティスト」の構造的優位性(米津玄師、YOASOBI Ayase、藤井風が代表例)。
月額¥980を払ったリスナーから、3つの権利者群(レーベル=マスター・JASRAC=著作権・CPRA=実演家)へお金が分配される様子。シンガーソングライターにとっての3チャネル収入が見える。
日本特有のCD収益経路。アーティスト印税は10%(¥300)と低いが、JASRAC経由で作詞作曲家・出版社に¥56ずつ流れる比較的透明性の高いルート。
ライブはアーティスト出演料が¥2,500と最大の取り分。実は「公演+物販」モデルで、グッズ売上(別計上)が興行収益の30-50%を占めるケースもある。アイドルジャンルではライブ参加者の75.4%がグッズ購入(ぴあ総研)。
歌唱回数ではなく「部屋数 × 月額」の包括契約。残金は作詞家・作曲家・出版社で1/3ずつ等分。歌唱データ(DAM/JOYSOUND)に基づき分配されるが、ロングテール曲は実態不明という問題も。
JASRAC(一般社団法人)は1939年設立、会員約23,000人、管理楽曲約500万曲。配信が4割超で最大セグメントに。カラオケ・店舗BGM・放送など「B2Bルート」も健在で、純粋なクリエイター財源として機能している。
マスター料50% × パブリッシング料50%の二層構造。1曲のシンクで両方の許諾が必要なため交渉が複雑。単価は CM ¥100万-3,000万、ハリウッド映画 数百万-数億円と桁違いに高い。
CISAC加盟団体(JASRAC ↔ ASCAP)の相互送金網。$10,000のうちアーティストに届くのは$7,720(77%)。手数料・為替・遅延で23%が消える。3か月〜2年の遅延が標準。
| # | フロー | 規模 | クリエイター取り分 | 主な徴収・分配主体 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Spotify サブスク | ¥980/月 | ¥48-110(5-11%) | Spotify → レーベル/JASRAC/CPRA |
| 2 | CD ¥3,000 1枚 | ¥3,000 | ¥300(10%)+ JASRAC経由 ¥168 | 小売店 → レーベル → JASRAC |
| 3 | ライブ ¥8,000 | ¥8,000 | ¥2,500(出演料、31%) | チケット販売 → プロモーター |
| 4 | カラオケ1部屋月額 | ¥4,500/月 | ¥1,290(作詞)+ ¥1,290(作曲) | カラオケ店 → JASRAC |
| 5 | JASRAC年間徴収 | 1,332億円/年 | 1,200億円が分配へ | 配信/TV/カラオケ/演奏 → JASRAC |
| 6 | シンク CM 1曲 | ¥1,000万 | ¥1,500,000(マスター分)+ ¥2,500,000(作詞作曲) | 広告主 → レーベル+出版社(個別交渉) |
| 7 | 海外送金 $10,000 | $10,000 | $7,720(77%、23%目減り) | 米Spotify → ASCAP → JASRAC |