💰 音楽 ビジネスモデル(お金の流れ)

Spotify ¥980/月、CD ¥3,000、ライブ ¥8,000、カラオケ1部屋月額、JASRAC年間1,332億円、シンクCM¥1,000万、海外送金$10,000の7つのお金フローを Sankey 図で可視化。「著作権 vs 著作隣接権」の2階建て構造を、レシピと完成料理の比喩で解説する。

💡 まず最重要: 著作権 vs 著作隣接権(レシピ vs 完成料理の比喩)

音楽業界を理解する最大の壁がここ。「1曲」には実は2階建ての権利がある。初めて触れる人が混乱する最大の原因はここで、これさえ理解すればこの先のSankey図が全部読める
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① 著作権 = レシピ・設計図

対象: 曲そのもの(メロディ・歌詞)

持ち主: 作詞家・作曲家 → 多くは音楽出版社に譲渡

管理: JASRAC または NexTone(信託受託)

海外呼称: パブリッシング権(Publishing Rights)

「Lemon」のレシピは米津玄師が書いた。誰がカフェで料理(演奏/再生)しても、レシピを書いた米津にロイヤリティが入る。

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② 著作隣接権 = 完成した料理

対象: 録音された「音」そのもの(マスター音源)

持ち主: レコード会社(資金を出した人)/実演家

管理: レコード会社が直接管理/CPRA(実演家団体)

海外呼称: マスター権(Master Rights)

米津本人が録音した「Lemon」音源はソニー・ミュージックレーベルズが所有。Spotifyで再生されるとそのマスター使用料が発生する。

🎯 2階建てのキモ

同じ曲でも「米津玄師がカバーした版」と「他の歌手がカバーした版」では、著作権(米津作曲分)は同じだが、隣接権(マスター)は別物。だから1曲=2系統の支払いが同時発生する。

シンガーソングライター = 3チャネル収入の構造

米津玄師のような「作詞作曲+歌唱」を1人でやるアーティストは、Spotify 1再生で3つの財布から別々に金が流れる。

  1. レーベル経由 → アーティスト印税(マスター権配分の10-20%)
  2. JASRAC経由 → 作詞作曲印税(出版社と1/2ずつ)
  3. CPRA経由 → 実演家二次使用料(歌った行為への対価)

レーベル所属の歌手だけだと①のみ、作詞作曲家だけだと②のみ。3チャネル取れるのが「自作自演アーティスト」の構造的優位性(米津玄師、YOASOBI Ayase、藤井風が代表例)。


1. Spotify サブスク ¥980/月(リスナー1人)

月額¥980を払ったリスナーから、3つの権利者群(レーベル=マスター・JASRAC=著作権・CPRA=実演家)へお金が分配される様子。シンガーソングライターにとっての3チャネル収入が見える。

1再生 ¥0.5問題: レーベル所属で印税10%なら、100万再生で約4-7万円しか入らない。アーティスト個人が「専業で食える」には年100万再生以上が目安。上位1%のアーティストが配信収益の80%を占める寡占構造(Pro Rata方式の構造的問題)。

2. CD ¥3,000(1枚購入)

日本特有のCD収益経路。アーティスト印税は10%(¥300)と低いが、JASRAC経由で作詞作曲家・出版社に¥56ずつ流れる比較的透明性の高いルート

3. ライブ ¥8,000 チケット1枚

ライブはアーティスト出演料が¥2,500と最大の取り分。実は「公演+物販」モデルで、グッズ売上(別計上)が興行収益の30-50%を占めるケースもある。アイドルジャンルではライブ参加者の75.4%がグッズ購入(ぴあ総研)。

不文律③(再掲): ライブグッズ・物販はアーティスト印税の対象外(事務所・レーベル取り分が大)。会いに行ける経済圏で稼いでいるのは事務所、アーティストではない。

4. カラオケ JASRAC 1部屋月額 ¥4,500

歌唱回数ではなく「部屋数 × 月額」の包括契約。残金は作詞家・作曲家・出版社で1/3ずつ等分。歌唱データ(DAM/JOYSOUND)に基づき分配されるが、ロングテール曲は実態不明という問題も。

5. JASRAC 年間徴収 1,332億円(2024年度マクロ)

JASRAC(一般社団法人)は1939年設立、会員約23,000人、管理楽曲約500万曲。配信が4割超で最大セグメントに。カラオケ・店舗BGM・放送など「B2Bルート」も健在で、純粋なクリエイター財源として機能している。

6. シンク(CM 1曲使用 推定 ¥1,000万)

マスター料50% × パブリッシング料50%の二層構造。1曲のシンクで両方の許諾が必要なため交渉が複雑。単価は CM ¥100万-3,000万、ハリウッド映画 数百万-数億円と桁違いに高い。

7. 海外送金 $10,000(米Spotify→日本作詞作曲家)

CISAC加盟団体(JASRAC ↔ ASCAP)の相互送金網。$10,000のうちアーティストに届くのは$7,720(77%)。手数料・為替・遅延で23%が消える。3か月〜2年の遅延が標準。

GNH$ × クリエイターエコノミー文脈の介入余地: ステーブルコインによる即時・低手数料の国際送金、ブロックチェーンによる利用追跡。23%目減りを5%以下に圧縮できれば、海外で活躍する日本クリエイターの実質収入が18%増える計算。

音楽業界 7つのフロー サマリー

#フロー規模クリエイター取り分主な徴収・分配主体
1Spotify サブスク¥980/月¥48-110(5-11%)Spotify → レーベル/JASRAC/CPRA
2CD ¥3,000 1枚¥3,000¥300(10%)+ JASRAC経由 ¥168小売店 → レーベル → JASRAC
3ライブ ¥8,000¥8,000¥2,500(出演料、31%)チケット販売 → プロモーター
4カラオケ1部屋月額¥4,500/月¥1,290(作詞)+ ¥1,290(作曲)カラオケ店 → JASRAC
5JASRAC年間徴収1,332億円/年1,200億円が分配へ配信/TV/カラオケ/演奏 → JASRAC
6シンク CM 1曲¥1,000万¥1,500,000(マスター分)+ ¥2,500,000(作詞作曲)広告主 → レーベル+出版社(個別交渉)
7海外送金 $10,000$10,000$7,720(77%、23%目減り)米Spotify → ASCAP → JASRAC

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📊 産業特長

J-POP vs K-POP契約構造、不文律3つ

🏢 主要プレイヤー

日本・K-POP・欧米・新興の全社マッピング

📚 用語集

JASRAC・マスター権・パブリッシング権ほか