マンガ人物 鳥山明

規模DRAGON BALL 世界累計2.6億部(世界2位)、関連IP累計収益3.4兆円規模(推定230億ドル)、ドラゴンクエスト シリーズ累計8,500万本超
秀逸さの本質「マンガが『MANGA』として世界共通語になった瞬間を作った」──世界80カ国で翻訳され、フランス大統領・エルサルバドル政府が追悼を表明するほど世界中の文化に浸透した愛知県出身のデザイナー
派生効果「漫画家がゲームのキャラクターデザインを担う」という職能領域の開拓。鳥山スタイルの「記号化されたキャラクターデザイン」が少年漫画のメディアミックス前提フォーマットに。2024年3月の急逝は世界的ニュースに

基本プロフィール

生没年1955年4月5日 〜 2024年3月1日(享年68、急性硬膜下血腫)
出身愛知県西春日井郡清洲町(現 清須市)、生涯を愛知県に在住
学歴愛知県立起工業高校 デザイン科 卒業(高卒)
担当編集者鳥嶋和彦(集英社、45年間の関係)
著作管理株式会社バード・スタジオ
受賞歴第27回小学館漫画賞(1982)、フランス芸術文化勲章シュヴァリエ章(2019)、GDC生涯功績賞(2019)

世界的ブレイクの証拠 ── 訃報への各国反応(2024年3月)

国・地域反応
フランスマクロン大統領がXで直接追悼コメント(外国漫画家への国家元首追悼は異例)
エルサルバドル政府が国家追悼期間を設定(外国漫画家への国家弔意は史上初)
メキシコ首都で数千人が集結し追悼
チリサンティアゴで参加者全員が「元気玉」のポーズで追悼
韓国・中国外務省・外交部からコメント発表
米国・英国Forbes・CNN・BBC・Guardianが大型追悼記事
日本の官房長官のコメント(2024年3月8日)
林芳正官房長官: 「鳥山の作品によって日本のコンテンツが幅広く世界で認知されるなど、わが国のソフトパワーの発揮に重要な役割を担った」。「文化的ソフトパワーとしての漫画家」という認識が国際政治レベルで確立した歴史的瞬間。

重要エピソード(時系列)

1977〜1978年

100万円目当てで漫画を描き始めた男

デザイン会社を辞めた23歳の鳥山は、週刊少年マガジンのデビュー賞金100万円を目当てに、漫画を一度も描いたことがないまま投稿。当然ボツ。次に「週刊少年ジャンプ」に切り替えたところ、入社2年目の若手編集者・鳥嶋和彦が「絵の線に魅力がある」と直感し個別指導を開始した。

1978〜1980年

ボツ500枚、それでも書き続けた2年間

鳥山が原稿を送るたびに鳥嶋が即座にボツとし「もう一度描き直してください」を2年間繰り返した。連載デビューまでのボツ原稿500枚以上は一般的な漫画家の10倍以上。鳥山は「鳥嶋さんが面白いと言ってくれたら絶対に売れる」という信頼感で書き続け、1980年の『Dr.スランプ』第1話で読者人気投票1位を獲得した。

1984年

Dr.スランプ完結、わずか3ヶ月でドラゴンボール開始

連載4年目にネタ切れで「もう描けない」と泣きついた鳥山に、鳥嶋は「3ヶ月後に新連載を始めるなら終わらせていい」と決断。人気連載を引き延ばすのが業界の常識の中での異例の判断。1984年12月にドラゴンボール連載開始。初期は西遊記モチーフのカンフーコメディだったが、鳥嶋の「戦闘漫画に振り切れ」という判断で路線転換し、世界2.6億部の超巨大IPに成長した。

1986年

ドラゴンクエスト誕生、漫画家がゲーム界に越境

鳥嶋の仲介で、堀井雄二(脚本・ゲームデザイン)+鳥山明(キャラクター・モンスターデザイン)+すぎやまこういち(音楽)の「ドリームチーム」が結成。1986年発売のドラゴンクエストはシリーズ累計8,500万本超の国民的RPGに成長。「漫画家がゲームのキャラクターデザインを担う」という新職能領域を開拓した。

2009年

ハリウッド版ドラゴンボール、原作者の意見が通らなかった

20世紀フォックス制作の実写映画『ドラゴンボール エボリューション』が米国興収約960万ドル(製作費3,000万ドル)で大コケ。鳥山は「意見が受け入れられず、納得のいく出来にならなかった」と公言し「もう実写は絶対にやらせない」と明言。これが後の尾田栄一郎がNetflix『ONE PIECE』で原作者監修権を要求する交渉モデルの源流となった。

2024年3月1日

世界が悲しんだ日

急性硬膜下血腫で急逝(享年68)。3月8日の訃報公表後、フランス大統領・エルサルバドル国家追悼・メキシコ・チリ追悼集会・米英大手メディア大型記事と世界規模の反響に。担当編集者・鳥嶋和彦のコメント: 「45年に渡りありがとうございました。鳥山さん、あなたは最高の漫画家でした」。連載中だった『ドラゴンボール超』等はバード・スタジオ監修で継続展開中。

関連人物・系譜

関係人物関係性
最重要パートナー鳥嶋和彦(Dr.マシリト)担当編集者・人生の恩人。45年間の関係
ゲーム界の盟友堀井雄二(ドラゴンクエスト)1986年〜没後まで全シリーズ協力
ゲーム界の盟友坂口博信(FF創始者)クロノ・トリガーで共闘
神格化対象手塚治虫「漫画の神様」と公言
後輩・憧れの対象尾田栄一郎、岸本斉史、久保帯人「神」と公言する作家多数。尾田「空いた穴があまりに大きすぎます」
関連スタジオ東映アニメーション、バンダイナムコ没後も継続するエコシステム