📅 新世紀エヴァンゲリオン 歴史・年表

アニメ 1984年GAINAX設立から2024年庵野秀明の文化功労者選定まで。「製作委員会方式の本格普及」と「作家の独立採算化」が26年の時間をかけて完成した軌跡。

📌 全体の特徴

エヴァはTV版(1995〜96)→ 旧劇場版(1997)→ 沈黙期(1999〜2006)→ 新劇場版四部作(2007〜2021)という26年の時間をかけた壮大な展開。庵野秀明が2006年に株式会社カラーを設立してからは、作家本人がIPの大半の権利を保有する稀有な「独立採算化モデル」に転換した。

前史・GAINAX設立(1984〜1994)

1984年
GAINAX設立
庵野秀明・赤井孝美・山賀博之ら大阪芸術大学出身者中心、岡田斗司夫が経営。アマチュア映像制作から始まった異色のスタジオ。
1987年
『王立宇宙軍 オネアミスの翼』公開
庵野秀明はメカニック・特技監督として参加。GAINAXが本格的なアニメスタジオとして業界に認知される。
1988〜1989年
『トップをねらえ!』OVA(庵野秀明初監督作)
メカアニメのパロディ・オマージュとして深夜OVA市場で評価を得る。庵野の演出スタイルが確立。
1990〜1991年
NHK『ふしぎの海のナディア』(庵野秀明監督)
視聴率10%超のヒット。庵野秀明がアニメ監督として全国的に認知される。
1993年
庵野秀明、『新世紀エヴァンゲリオン』のプロット執筆開始
自身の精神的危機・鬱の体験を作品に組み込む構想。従来のロボットアニメを根底から問い直す試み。
1994年7月
テレビ東京・GAINAX・キングレコードを中心とする製作委員会組成
アニメ史上初期の「製作委員会方式」の本格事例。この組成が日本アニメ業界の標準モデルへの転換点となる。

TV版・旧劇場版期(1995〜1998)— 社会現象化

1995年10月4日
テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』放送開始
テレビ東京系、毎週水曜18:30。平均視聴率7.1%(深夜枠換算では高水準)。
1996年3月27日
テレビ版最終回(第26話)放送
「世界の中心でアイを叫んだけもの」。物語の伏線回収を放棄し主人公の内面的決着のみを描いた異例の最終回。ファンの間で物議を醸し、翌年の劇場版への期待が爆発的に高まる。
1997年7月19日
劇場版『THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に』公開
配給収入13億円・興収24.5億円。TV版最終回の「やり直し」。賛否両論の結末で「考察し続ける作品」としての位置づけが固定。

沈黙期(1999〜2006)— GAINAXとカラーへの分岐

1999〜2003年
パチンコ・パチスロ・ゲーム展開、GAINAXは庵野不在で運営継続
庵野秀明は実写映画(『式日』『キューティーハニー』等)を監督。エヴァIPはパチンコ収益を中心に「休眠しながら稼ぐ」フェーズへ。
2006年5月13日
庵野秀明、株式会社カラー設立
東京都杉並区。GAINAXから事実上独立。「庵野秀明+少数の右腕クリエイター」のスタジオとして機能する体制を構築。
2006年9月
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」企画発表
スタジオカラーが製作主体に。作家本人がIPホルダーとなる独立採算化モデルへの転換が宣言される。

新劇場版四部作期(2007〜2021)— 作家独立採算モデルの実証

2007年9月1日
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』公開
東宝配給。配給収入9.9億円・興収20億円。TV版・旧劇場版から10年ぶりの「新エヴァ」として世代を超えたファンが劇場へ。
2009年6月27日
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』公開
興収40億円(前作の倍)。カラー独立採算モデルが興行的成功で実証される。
2012年11月17日
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』公開
興収52.6億円。前作から14年後の世界観という予想外の展開でファンが分断。第4作の完成が9年後まで延期されることになる。
2016年7月29日
庵野秀明監督・脚本『シン・ゴジラ』公開
東宝配給、興収82.5億円。第40回日本アカデミー賞最優秀作品賞。「エヴァ以外の領域でも日本特撮の継承者」ブランドを確立。
2021年3月8日
『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』公開
コロナ禍下で国内興収102.8億円・観客動員730万人。26年に及ぶシリーズ完結。東宝・東映・カラーの共同配給。
2021年3月
Amazon Prime Video全世界独占配信契約
新劇場版四部作セットでAmazon配信。邦画初の全世界同時配信モデル。海外市場での即時公開を実現。

「シン・」シリーズ期(2022〜現在)

2022年5月13日
『シン・ウルトラマン』公開
庵野秀明脚本(監督:樋口真嗣)。興収20.8億円。特撮IPの現代的リブートとして話題。
2023年3月17日
『シン・仮面ライダー』公開
庵野秀明監督・脚本。興収16.4億円。「シン・シリーズ」完結。
2024年7月
庵野秀明、文化功労者選定
日本政府による公的評価。アニメ・特撮分野の作家が文化功労者となるのは稀で、「カウンターカルチャーから国民文化へ」のエヴァ・庵野ブランドの転換を象徴。

26年の展開で見えるパターン

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